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2022.12.01

<会社員ができる節税> 住宅ローン控除の基本と変更点




今月は、年末調整で控除できる所得控除の1つである『住宅ローン控除』についてご案内いたします。
 

住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンを借りる際に支払う金利負担を軽減するために設けられた減税制度です。
住宅の建築・購入・リフォーム、またその取得資金を住宅ローンでまかなった場合に、居住開始後の年末借入金残高に対して所得税と住民税を直接減税するしくみのため、他の各種控除よりも節税効果が大きい控除制度になっています。
 
住宅ローン控除が受けられるのは?
 ① 住宅ローンの返済期間が10年以上
 ② 自ら居住するための住宅
 ③ 床面積が50㎡以上(*)
 ④ 合計所得金額が2,000万円以下(*)
 ⑤ 引渡または工事完了から6か月以内に入居
*令和5年末までに建築確認を受けた新築住宅を取得する場合、合計所得金額1,000万円以下に限り、床面積要件が40㎡以上
 
住宅ローン控除の概要について

 (1) 宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋。
 (2) 省エネ基準を満たさない住宅。令和6年以降に新築の建築確認を受けた場合、住宅ローン減税の対象外。
(令和5年末までに新築の建築確認を受けた住宅に令和6・7年に入居する場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間)

(出典:国土交通省ウェブサイト加工)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html


住宅ローン控除について、令和4年から制度が変更になりました。その主な内容を確認していきましょう。

令和4年税制改正の主な変更内容
●控除率の変更
住宅ローンの年末残高の1%から0.7%に引き下げられます。
 
●控除年数の変更
新築住宅の取得の控除年数は、13年に変更されます。
中古住宅や住宅の増改築は現行と同じ10年のままです。
 
●借入限度額の変更
令和3年までは4,000万円までだった借入金額が、3,000万円に変更されます。
中古住宅の取得や住宅の増改築は2,000万円です。また、令和6年・7年入居の新築住宅取得については、令和5年までに新築の建築確認を受けている場合のみ借入限度額は2,000万円となりますが、そうでない場合は住宅ローン控除の対象外となります。
(但し、省エネ基準を満たしている住宅は対象となります。上記「住宅ローン控除の概要について」をご確認ください。)
 
●所得要件
令和4年以降は、住宅ローン控除適用対象者の所得要件が3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げられます。そのため所得2,000万円を超える場合、住宅ローン控除が受けられません。
 

申告方法
住宅ローン控除の適用を受けるための手続きは、控除を受ける最初の年と2年目以降とでは異なります。
●控除を受ける最初の年
最初の年のみ確定申告が必要です。
住宅ローン控除の適用となった翌年の2月15日~3月15日までの間に確定申告書に必要な書類を添付の上、納税地の所轄税務署長に提出しましょう。
確定申告に必要な提出書類については、国税庁のサイトをご確認ください。
(参考)国税庁のサイト:https://www.nta.go.jp/index.htm(「一般住宅の新築等をした場合」で検索)
 
●2年目以降
給与所得者の方は、年末調整で住宅ローン控除の適用を受けることができます。
税務署から送付される「住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する必要があります。
年末調整の手続方法については、勤務先に確認をしておきましょう。
 

まとめ
今回は、住宅ローン控除と令和4年の税制改正についてご紹介いたしました。
税制改正によって、住宅ローン制度の内容は大きく変更されました。
カーボンニュートラル実現に向けて、令和6年以降の新築住宅での適用は、基本的に長期優良住宅や低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅や省エネ基準適合住宅に限られ、一般住宅に対する借入限度額は引き下げとなります。
住宅ローン減税から享受できる経済的メリットは徐々に低下していくことになりそうです。
とはいえ、今後も、住宅購入者にとっては住宅ローン控除は経済的に有利な制度です。
サラリーマンが利用できる節税方法は多くはありません。
忘れず申告をおこない、節税できたお金を有効利用するようにしましょう。
 

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