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2024.08.01

自転車事故とマンション火災保険



自転車事故とマンション火災保険
 
誰もが加害者・被害者になる可能性のある自転車事故について、どのような備えが必要かご紹介します。
 


1)自転車事故の発生状況

ここ数年、交通事故件数に占める自転車事故件数の割合は、2割程度と高い水準で推移しています。
具体的に数字を見てみると、2022年の自転車乗用中の交通事故件数は6万9,985件で交通事故件数全体に占める割合は23.3%となっています。自転車乗用中の死傷者数のうち、19歳以下が28.5%、65歳以上の高齢者が19.7%と、この2つの年齢層でほぼ半数を占めています。
 
自転車だから大丈夫。事故を起こしたとしても大事にはならない・・・・・。そんな軽はずみな気持ちが、死傷者を出す重大な事故につながります。道路交通法上、自転車は車両の一種(軽車両)です。法律違反をして事故を起こすと、自転車利用者は刑事上の責任が問われます。また相手にケガを負わせた場合、民事上の損害賠償責任も発生します。
 

賠償額の傾向

賠償金額は近年高額なものになっており、小学生が女性と衝突して頭に重傷を負わせた事故では約9,500万円、男子高校生が強引に車道を横断したところ対向してきた自転車とぶつかり、被害男性が言語機能を喪失するなどした事故でも約9,300万円など、1億円近い高額賠償判決が複数出ています。
 
(出典:日本損害保険協会HP「自転車事故と保険」)
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/jitensya/index.html
 
 

2)マンション火災保険で対応できること、できないこと

 マンションにお住まいの皆さんにも、自転車事故のリスクが存在します。そのようなリスクについてどのように考えればいいのでしょうか。
 

相手方に対する賠償

 ほとんどのマンションでは、管理組合が契約者となって共用部分の火災保険にご加入されていると思います。その契約の中に「個人賠償責任(包括)特約」あるいは「建物居住者賠償特約」などの名称で、日常生活に伴う事故により第三者に賠償しなければならない場合に備える特約があります。この特約はマンション敷地内外を問わず、通勤通学を含む自転車の日常利用に伴う事故にも対応しており、被害者との示談を保険会社が代行するサービスを利用することができる優れものの特約と言えます。補償対象をマンション敷地内において発生した事故のみに限定した特約もございますので、補償内容をご確認ください。
 ただし、集金業務や商品の配送など、お仕事で自転車をご利用される場合は日常生活ではなく業務中の事故となるため、この特約の対象外になりますので注意が必要です。
 

自分がケガをした場合


 それでは、ご自身が被害者の立場としておケガされたときはどうでしょうか。残念ながらマンション共用部の火災保険商品ではご自身のおケガには対応していないため、各自で傷害保険や生命保険の傷害特約などにご加入いただく必要があります。
 

 
3)より安心するために行いたいこと
 

マンション火災保険契約の確認
 事故に備える特約が本当に安心できるものか、総会議案書にあるマンション共用部の火災保険の内容説明などから以下のチェックをされることをお勧めします。
 
・個人賠償責任(包括)特約が付帯されているか
近年保険料が高騰していることを理由にこの特約の付帯を見送る組合様も存在します。きちんと付帯されているかあらかじめ確認することが大切です。
 
・支払限度額はいくらか
個人賠償責任(包括)特約を付帯はしているものの、物損事故に備える程度の低い支払限度額を設定している契約も見かけます。いざという時に前述のような高額賠償事故となってしまい、限度額を超える賠償義務が発生すると、残念ながら保険会社の示談代行サービスも使えなくなりますので注意が必要です。
 
・免責(自己負担)金額があるか、あるとすればいくらか
免責金額を5~10万円で設定している契約も散見され、思わぬ負担になることがありますので、ご確認ください。
 

 
4)終わりに

 マンション火災保険の契約内容を確認した結果、補償内容が不十分だった場合はどうすれば良いのでしょうか。個人(日常生活)賠償責任保険は、実はいろいろな保険の特約としてすでに加入いただいていることがありますので、まずは自動車保険や火災保険、生命保険の証券をご確認ください。必要であれば中途で特約付帯が可能なものもありますので、ご加入の保険会社や代理店へご相談いただくことをお勧めします。事故を起こさないことが一番大切ですが、その次にリスク回避の手段を事前に講じておくことが日ごろの安心につながります。
 
 
 
※このご案内は、概要を説明したものです。ご契約にあたっては必ず各引受保険会社のパンフレットおよび「重要事項のご説明」をあわせてご覧ください。また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」をご用意しています。ご不明な点につきましては、取扱代理店までお問い合わせください。
 
 
【取扱代理店】
大和ライフネクスト株式会社インシュアランスエスコート部
107-0052 東京都港区赤坂5丁目1-33


2024年7月承認 B24-200615


 
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