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2024.08.30

減災とは?防災との違いやポイントを解説



災害への備えというと「防災」を真っ先にイメージされるという方も多いと思いますが、「減災」という言葉をご存知でしょうか。
「減災」とは近年、防災とともに使われるようになった言葉で「被害を軽減するための事前の取り組み」をいいます。
今回は、防災と減災についての違いと、減災のためのポイントについて解説します。
 

「防災」と「減災」の違いとは?
防災とは
防災は、災害が発生した場合の被害を防ぐための備えのことを指します。例えば、地震や水害といった自然災害によって発生する被害を未然に防ぐための備えなど、被害をゼロに近づけるために様々な取り組みを行なっていくことを目的としています。
 
減災とは
減災は、災害が起きることや、被災することを前提に、災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために備える事前対策のことを指します。
激甚化する風水災や大規模地震等によって、防災による備えをしている場合でも想定以上の被害が出ていることから、防災意識やその取り組みに見直しが必要となりました。そこで、防災では足りない部分を補うため、被害を最小限に抑えることを目的とした減災の考え方が注目されるようになりました。

 
減災のための7つのポイント
1.自助、共助

「自助」は自分の身は自分で守ること、「共助」は地域や身近にいる人同士が助け合うことを指します。
行政からの援助である公助も重要ですが、支援が行き届くまで時間がかかってしまう可能性があるため、日ごろから「自分でできること」「家族でできること」「ご近所と力をあわせてできること」を考えておくことが重要です。

2.地域の危険を知る
ハザードマップ(防災マップ)には、住んでいる地域や勤務先の避難場所など、避難・救援活動に必要な情報が掲載されています。どのような被害が考えられるかを想定しながら、事前に確認して危険を把握しておきましょう。
ハザードマップは各市町村役場や公民館などで配布されているほか、各自治体のホームページでも確認することができます。

3.地震に強い家
昭和56年(1981)年より新耐震基準が施行され、住宅の建物の強さを定める基準が大きく変わりました。新耐震基準以降に建築されているかどうかを確認することが、自宅の耐震性を知る一つの目安となります。
また自治体によっては、建物の耐震診断や、家具転倒防止器具の取り付けを無料もしくは一部補助を行うといった支援策を設けていることもありますので、一度確認してみることをおすすめします。

4.家具の固定
背の高いタンス類などの家具やテレビなどの家電は壁や床に固定し、倒れて下敷きにならないようにする、またガラスには飛散防止フィルムを貼っておくなどの対策が必要です。
大地震では、倒れた家具の下敷きになってけがをしたり、散乱したテレビや家具、ガラスなどによって逃げ遅れたりすることがあります。
家具は必ず倒れるものと考え、家具の固定や配置の見直しをおこなうことが身を守ることにつながります。

5.日ごろからの備え
まずは「外出時に用意しておくもの」「自宅や会社に常備しておきたいもの」の2つの視点で考えましょう。
外出時には「自分の情報が確認できるもの」「状況を把握できるもの」「閉じ込められたときのもの」を、自宅や会社では「避難に必要なもの」「生きるためにないと困るもの」を用意しましょう。



6.家族で防災会議
災害は家族が揃っているときに発生するとは限りません。予め、災害時の連絡先や連絡方法を家族内で共有し、合流場所を決めておくようにしましょう。
またお子様が保育園・幼稚園・学校に通っている場合は、災害時の対応についての取り決めを確認しておきましょう。

7.地域とのつながり
大規模災害時の救助や避難などには、日ごろの近所付き合いが力を発揮します。
実際に、阪神・淡路大震災でも家族や近所の人たちが多くの人々を助け出した事例もありました。
普段から、近隣の人たちとコミュニケーションをとっておくことが大切です。


減災対策のポイント
減災の7つの取り組みをご紹介しましたが、その他に減災対策として事前に考えておくべきポイントを紹介します。
 
備蓄品の内容
最低限3日間程度を目安に水や食料品を備蓄し、家族構成や住宅地域に合わせて必要なものを準備しましょう。また、毎年「防災の日」等に消費期限等をチェックし必要に応じて入れ替え、常に最小限備えるべき品目・量を保ちながら、多めに備えているものを日常の中で消費する「ローリングストック」を取り入れましょう。
持ち出す備蓄品は奥にしまっていてすぐに持ち出せないということがないよう、玄関や寝室等に置き、リュックサックに入れてすぐに持ち出せるところに置くことが重要です。
参考:https://www.ms-ins.com/special/bousai/taisaku/tips_09/ 
(三井住友海上火災保険 知ろう・備えよう災害対策 -防災備蓄編-)
 
高齢者家族の避難について
家族に高齢者などがいる場合は、避難に時間がかかることが想定されます。早めに避難を開始をする、高低差が激しくない避難経路を考えるなど、事前に対応方法を決めておきましょう。
家族以外の介助が必要な場合もありますので、大雨・洪水等、災害の予測ができる場合は早めに対策をとるようにしましょう。
 

まとめ
自然災害が多く発生する日本では、被害をゼロにする「防災」よりも、災害が起こる前提で被害を最小限におさえる「減災」に取り組むほうが合理的で現実性があります。
日頃から意識的に行動し、万が一に備えて上記の減災対策をおこなっておきましょう。
 

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