厳しい寒さが続く冬は、どのご家庭でも暖房器具を使用する機会が増え、さらに空気が乾燥することで火災が発生しやすくなります。
総務省消防庁の消防統計(火災統計)によると、令和5年に発生した建物火災件数20,974件のうち1月の件数が最も多く、次いで12月、3月、2月と冬から春にかけて多くの火災が起きていることがわかります。
近年では、火を使用しないこたつ・電気ストーブ・オイルヒーターといった電気式の暖房器具が普及していますが、これらの電気機器から火災につながるケースも増えています。建物火災の出火原因をみると、電気機器の出火による火災は、こんろ・たばこに次いで多く発生しています。
ここからは火災の特徴や原因、その対策を説明します。
火災の覚えておくべき5つの特徴
1.火災は、空気が乾燥しているときに起こりやすく、さらに風が強いと燃え広がりやすい。
2.プラグとコンセントの隙間のほこりや湿気が原因となり、出火することがある。
3.長年の使用によって劣化した電化製品が発熱・発火し、火災の原因になることもある。
4.発泡スチロールやウレタン等の断熱材、プラスチック製品が燃えたときは、木材に比べて多くの煙が発生する。
5.IHクッキングヒーターでも、加熱する力によって、少量の天ぷら油から火災につながる危険がある。
https://www.ms-ins.com/special/bousai/taisaku/tips_06/
(出典:三井住友海上 「知ろう・備えよう災害対策 -火災編-」)
火災の原因とその対策
令和5年のデータを参考に、建物火災の出火原因を件数の多い順に見ると、「こんろ」2,769 件(13.2%)、「たばこ」1,925 件(9.2%)、「電気機器」1,688 件(8.0%)、「配線器具」1,310 件(6.2%)、「放火」1,140件(5.4%)となっています。
(出典:東京消防庁 「令和5年版 火災の実態」)
特に冬の屋内では、オイルヒーター・電気ストーブ・こたつを使う家庭が多いと思いますが、使い方を間違ってしまうと火災につながる恐れがあります。
具体的にどのような使い方が原因で火災が引き起こされるかを確認していきましょう。
ほこりやごみを掃除せずにそのまま使用した
暖房器具は冬場しか使わないため、他の季節は押入れなどに保管することでほこりやごみが付着してしまい、そのまま使用することで火災が発生しやすくなります。使う前にはヒーター部分のお手入れをしておきましょう。
洗濯物を乾かしていた
電気を使用した暖房器具は裸火がないため、火災は発生しにくいと誤解しがちです。ヒーター部分は火を使用していなくとも衣類が発火するほど高温のため、物を近づけることは非常に危険です。
実際に、火を使わない熱源だと安心して、電気ストーブの上にバスマットをかけたことにより発火し、焼損につながった事例があります。
就寝中に布団が燃えた
電気ストーブの近くで就寝して、寝返りの際に布団や毛布が電気ストーブに触れて着火することで、火災につながるリスクもあります。実際に電気ストーブをつけたまま就寝して、掛け布団が接触したことにより出火、死亡事故を引き起こした事例も報告されています。
また、布団からは離れた場所でつけっぱなしにしている場合も、何かの拍子に物が倒れて可燃物が接触してしまう可能性もあります。
外出時やその場を離れるときだけではなく就寝時も電源を切り、電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_027/
(出典:消費者庁 (出典:消費者庁 電気ストーブや電気こたつの火災に注意しましょう!-火を使わない電気ストーブや電気こたつでも火災が発生しています-)
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-yobouka/topics/201610/e_stove/
(出典:東京消防庁 電気ストーブ等の火災に注意しましょう!)
また、東京消防庁の「住宅防災の10の心得」に沿って、火災が起きにくい環境づくりを心がけましょう。
<住宅防災10の心得>
1.調理中は、こんろから離れないようにしましょう。
2.寝たばこは、絶対にやめましょう。
3.ストーブの周りに、物を置かないようにしましょう。
4.家の周りを整理整頓しましょう。
5.ライターやマッチを子供の手の届く場所に置かないようにしましょう。
6.コンセントの掃除を心掛けましょう。
7.住宅用火災警報器をすべての居室・台所・階段に設置し、定期的な作動確認をしましょう。
8.寝具類やエプロン・カーテンなどは、防災品にしましょう。
9.万が一に備え、消火器を設置し使い方を覚えましょう。
10.ご近所同士で声をかけあい火の用心に心掛けましょう。
もしも火災が起きてしまったら
火災が起きたときは、まずは慌てず行動することが大切です。
大きな声で周囲に火災を知らせ、落ち着いて消火や通報の協力を求めます。
消火器を取りに行き、風上から姿勢を低くして安全ピンを抜き、ホースを火元に向けてレバーを強く握って噴射します。
消火をする際は、逃げ道を確保したうえで行いましょう。
また危険と感じた場合は、炎が燃え広がる前に直ちに安全な場所に避難してください。
火災で本当に怖いのは炎ではなく煙です。
濡れタオル等で口や鼻を押さえ、新鮮な空気や視界を確保するため、低い姿勢で逃げましょう。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/contents/mokuji.html
(出典:東京消防庁 電子学習室「タイトル」)
「火災保険」で備える
自分では防災を心がけていても、何かのきっかけに火災に巻き込まれてしまう可能性はゼロにはできません。そこで、いざというときの備えとなるのが火災保険です。
マンションご購入時、また賃貸のご契約時に多くの方が加入されていると思いますが、あらためて加入内容をチェックしておきましょう。
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まとめ
年間を通して火災は発生しますが、特に冬は火の取り扱いの不注意が大きな火災につながりやすい季節です。
こんろや電気機器、ストーブの使用時には十分に注意し、また万が一火災が発生した場合を考え、しっかり備えておくようにしましょう。
【年々危険性が高まる地震について“減災”にフォーカスした記事も掲載しております。ぜひご一読ください。】
減災とは?防災との違いやポイントを解説
https://www.daiwalifenext.co.jp/hoken/news/156.html
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2024.12.02