管理組合運営

管理組合

マンションは一棟の建物を複数の所有者により所有する区分所有という権利形態となっており、個人が所有する「専有部分」と、共同で所有する「共用部分」に分かれます。
管理組合は、建物ならびにその敷地および付属施設の管理を行うために、区分所有者全員をもって構成する団体です。共用部分の維持管理や利用上のルールを定め、より良い生活が実現することを目的として活動します。

理事会と理事・監事の役割

管理組合は管理規約の定めにより理事および監事を選任する必要があります。理事会は理事長、副理事長、理事により構成される管理組合業務の執行機関です。

理事会

出席要件
理事(理事長等を含む)、監事が出席します。

成立要件
管理規約により定められており、一般的には理事の半数の出席で成立します。

議事進行
議長は理事長が務め、議題について、出席理事の過半数で決議します。

 

理事会の構成役員

理事長
理事長は、区分所有法で定める「管理者」であり、理事会を代表するとともに管理組合を代表します。

副理事長
副理事長は、理事長を補佐するとともに、理事長が不在となった時にその業務を代行します。

理事
理事は、理事会を構成し、管理規約の定めるところにより、管理組合の業務を執行します。理事の互選により理事長等の役職を決定します。なお、監事は理事に含まれません。

監事
監事は、管理組合(理事会含む)業務の執行状況及び財産の状況を把握し監査をしたうえで、総会に報告します。また、不正があると認められた時は、臨時総会を開催することができます。理事会に出席し意見を述べなければならないとされています。
※管理規約によっては異なる場合がありますので、ご自身のマンションの管理規約をご確認ください。

理事の実務上の役割例

会計
業務の執行が予算に基づき行われているか確認します。
また、総会では決算報告、予算案の説明を行います。

書記
総会・理事会などの議事録を作成し、必要に応じ組合員に配布をするなど、広報を行います。

総務
会議の会場手配や必要な備品の準備をしたり、組合員からの意見収集、組合員間の意見調整を行います。

防犯
マンション内の悪戯や盗難などがある場合、現状確認とその対策を検討します。

災害・防火
地震や火災時の対応策やルール、緊急連絡網を作成したり、避難場所の広報などを行います。
また、防災訓練をする場合は、その企画運営を行います。

営繕
共用部分の修繕について計画し、また実施にあたっては見積もりの検討や立ち会いなどを行います。

駐車場・バイク置き場・自転車置き場
駐車場抽選やバイク置場・自転車置場所の不足、不要自転車の放置など、駐車場やバイク置場・自転車置場における問題の対策を検討します。

町内会
町内会活動が、マンションの生活ルールに影響する場合や、役所の広報誌配布時などの窓口となります。 また、マンションを代表して町内会の会議などに出席します。

上記は一例です。管理規約によって役職に関する規定がある場合や、マンションごとの事情により上記のような担当を設けなかったり、上記以外の役職を設ける場合があります。

理事会運営

通常の理事会
日常の管理運営について各担当理事からの状況報告や今後の課題や方針の確認、具体策の検討などを行います。

総会前理事会
通常総会開催の1ヶ月前には、総会案内(議案書)を作成し、総会に向けての準備を行います。

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通常の理事会

理事会開催の準備

理事会の日時・場所・議題・出席者の確認を行います。
議題の中で資料が必要な場合には、各担当理事に準備を依頼し、事前に配付しておきます。

審議の際の留意点

  • 理事会で審議・決議すべき事項かどうか
    (管理規定や内容により、総会で定めるべきものかどうかを判断します)
  • 区分所有者(占有者)の意向を反映している、公正な判断か。
  • 広報や告知をどのように行うか。
  • 管理規約や使用細則に基づいた決定か。

理事会後

書記担当理事が議事録を作成し、議長(理事長)・出席理事が署名・捺印をして定められた場所に保管します。
また、必要に応じて決定・報告事項を掲示するなどして、広報することも大切です。

※理事会開催の頻度は、マンションごとの事情により異なりますが、通常1~3ヶ月に1回ほどの割合で行われています。

総会前理事会

理事会までの準備

総会審議事項(議案)の作成
これまで理事会で検討を行ってきた事項のうち、総会の審議を受けるものについて議案書にしてまとめておきます。

事業報告書の作成
マンション全体の動きや理事会(組合)の活動内容をまとめておきます。

理事会の内容(1)総会の準備

1. 組合の事業報告(1号議案)の作成
事前にまとめられた活動報告を確認します。

2. 決算(1号議案)の確認
過去の決算資料や、管理会社から提供される資料をもとに内容を審議し、決算書としてまとめます。

3. 監査報告書の作成
1,2の事項について監事より確認を受け、監査報告書に記名・捺印していただきます。

4. 次期事業計画書の作成
次期に行われる行事、修繕について確認し、まとめます。

5. 次期予算案の作成
事業計画ならびに前期の決算をもとに予算案を作成します。

6. 次期役員(理事および監事)候補の選出
事前に本人の了解を得ておきます。

7. 審議事項の確認
総会で審議する議案について、内容の確認をします。

理事会の内容(2)総会の準備

総会の場で議案を説明する理事や、議事録を作成する理事などの役割分担をあらかじめ決めておきます。

理事会の内容(3)総会の準備

総会の日程および場所を決定します。
総会案内配付、出欠票(出席票、議決権行使書、委任状)の提出期限についても確認します。

※臨時総会を開催する場合も、開催準備のための理事会を開き、総会案内(議案書)作成・役割分担の確認・スケジュールの確認を行うことが望ましいと言えます。

総会運営

理事長は毎年1回規約に定められた期限内に組合員(区分所有者)を招集し、通常総会を開催しなければなりません。
通常総会においては1年間の事業報告・決算報告などのほかに、管理規約で総会決議事項とされている案件の審議をすることになります。

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