震災対策マニュアル作成ガイド2~災害時の活動編~

震災対策マニュアルの必要性

災害発生以降の活動内容を検討します。そしてその活動内容に沿った防災訓練を行って検証し、改善する流れを検討します。

3.災害時の全体体制

災害発生から時間の経過別に3つに分けてそれぞれの活動体制と内容、および情報の連絡方法を検討します。

3-1.基本的な活動体制と内容

ご自身のマンションの場合、各段階に応じて、組織別にどんなことを活動内容に盛り込むべきかを検討する上で、下記に記載した内容を参考にしてください。
1. 災害時の活動は、「各階」の活動体制の確立と建物全体の活動を指示する「対策本部」の設置を基本とします。
2.「対策本部」と「各階」が連絡をとり、活動します。高層マンションの場合は、複数階の情報をまとめて対策本部に連絡します。

出典:中央区震災時活動マニュアル策定の手引き
組織階段 発災期:
災害発生直後~1日目
避難生活期:
災害発生直後2~3日目
復旧期:
災害発生直後4日目以降
基本活動方針 安全確保、安否確認、
人命救助を中心に活動する
帰宅者等により活動人員を確保し、対策本部、各階の活動体制・内容を充実させる 災害時の活動体制から
維持の体制へ移行する
対策本部の活動
  • 対策本部の設置場所の検討
  • 活動体制・内容の検討
  • 要員の検討
  • 体制充実(増員)
  • 物資の供給
  • 建物、設備の状況確認
  • 復旧の依頼
  • 二次被害の防止
  • 管理会社の体制が整った段階で業務を管理会社へ移行(縮小、解散)
待避所(救護所)
の活動
  • 設置場所の検討
  • 活動内容の検討
  • 救護者の治療と帰宅者の受け入れ
  • 活動規模の縮小及び閉鎖
各階の活動
  • 安否確認のための集合場所の確保
  • 階代表/役割分担の決定
  • 対策本部(or拠点階)へ情報連絡方法の確保
※詳しくは3-2をご参照下さい。
  • 体制充実
  • 対策本部との連携強化
  • 活動規模の縮小及び閉鎖
各住戸での活動
  • 身の安全の確保
  • 火元確認
  • 避難経路確保
  • 設備の安全確認
  • 身の安心の確保
  • 心身の健康維持
  • 日常生活へ移行
出典:中央区震災時活動マニュアル策定の手引き

3-2.情報連絡の方法

マンションの戸数の少ない小規模マンションと戸数の多い大規模マンションでは、対策本部と各住戸の連絡方法も異なってきます。各マンションの状況に合わせた方法を検討します。
共通なのは、フロア毎に各住戸の住民の安否確認するための「階別安否情報シート」を用意して、それを各住戸に回して安否の確認を取ります。
小規模マンションと戸数の多い大規模マンションで異なるのは、階別の情報を対策本部に連絡するための経路が異なってきます(対策本部から各住戸へ連絡するための経路も当然異なります)。



(1)各階で協力して各住戸の住民の安否確認をします。
(各住戸の状況を「階別安否情報シート」に記入します)
(2)上層階から順番に下の階へ情報を伝達するリレー方式か、もしくは各階から直接対策本部へ情報を伝達する方式、どちらかを選択します。
(3)対策本部からの情報は、(2)と同様の方法による口頭伝達か 館内放送が可能であれば放送で指示や情報伝達を行います。
 


(1)各階で協力して各住戸の住民の安否確認をします。
(各住戸の状況を「階別安否情報シート」に記入します)
拠点階に「階別安否情報シート」を集約します。
(2)拠点階では、ブロック別の安否情報シートに情報を集約し情報連絡設備で直接対策本部に伝達するか、直接対策本部に情報シートを持参します。
(3)対策本部からの情報は、情報連絡設備や館内放送で指示や情報提供を行います。


出典:中央区震災時活動マニュアル策定の手引き

4.活動内容に沿った訓練とマニュアルの見直し

4-1.活動内容に沿った訓練の実施

震災対策マニュアルが完成したら、策定した活動内容に沿った訓練を行いましょう。  
  • 避難訓練
  • 消火訓練
  • 救護訓練
  • 情報連絡訓練
など。
また訓練後、訓練に参加した住民に実際にやってみてマニュアル通りの方法がやりやすいかどうかを聞いてみましょう。
そしてマニュアルに不備や修正するするべきところがあれば改善して、
いざという時に役に立つマニュアルに仕上げていきましょう。